2年生道徳、「戦争の傷跡」について考えました。
2015.09.08
2年生道徳では、「戦争の傷跡」について考えました。内容は、第二次世界大戦中の最中、あるイギリス空軍兵士が爆撃機でドイツの町々を空爆したことによる、その後のお話です。(原文は、英語雑誌「リーダーズ・ダイジェスト)に掲載されたものです。)
彼は決められた時間・場所に爆弾を投下し、自分の任務を完了していた。終戦後、彼はイギリスに戻り小学校の教員になった。結婚し子供も生まれ、幸福な毎日を過ごしていた。ところが、ある日、彼は新聞に載っている一枚の写真に目をとめた。その写真は、戦争中に攻撃を受けて壊滅した町の写真だった。説明を読むと彼が空爆した町の一つであるクレーバーであり、当時その日は、「日曜日ということもあり、教会には人が大勢いた。」と書かれていた。この記事を読んでから、学校で子供たちと一緒にいても、「今、空から爆弾が落ちてきたら、この子供たちはどうなるのだろう・・・」と考えるようになった。「お前のしわざだ・・」そんな声が心の中で響いた。そして、彼はクレーバーの町長に手紙を書き、自分がクレーバーを爆撃したこと、町を壊滅させたこと、そして、そんなことをした自分を赦してほしいということを、手紙に書いて送った。・・・「赦してもらえるはずがないな・・・」と思っていたが、「赦してもらいたいと苦しんでいた彼と同じように、町にはあなたを赦さなければならない人々がいる」といって、クレーバーの教会の牧師が彼を訪ねてきた・・・という内容です。
授業では、空爆の恐ろしさを知るために、「ガンカメラ」から撮られた映像も資料として提示されました。
空爆の標的にされた人たちは想像を絶する戦争の傷跡を抱えて今を生きておられます。その上で、空爆を実行したと告白した人間を赦すことができたのはどうしてなのか。
以下が授業後の生徒達の感想です。
【 生徒の感想 】
◇わざわざ自分が空爆したことを言ったイギリス空軍兵士も、それを赦したクレーバーの町の人もすごいと思った。
◇ 空爆について、爆撃機につけられた「ガンカメラ」からの視点からの映像を見るのは初めてで、施設を破壊する任務を遂行する作業のような感覚になり、人を殺している感覚があまりなくなることが恐ろしい。
◇小学校6年生の時に、広島のことについて色々教わり、「戦争って本当に恐ろしいな」と思っていました。でも、今回の授業で、もっと戦争の恐ろしさを改めて実感しました。戦争を始めた人間が犠牲にならず、関係のない一般の人々が犠牲になるのはおかしいと思った。
◇「戦争に参戦している人達は、人を殺している意識がある。」と思っていたけれど、爆撃機からは人は見えないとわかって、もしかすると、人を殺している意識がない人もいたかもしれないと思ったら、嫌になった。
◇現在では、無人飛行機(ドローン)による空爆など、遠隔地からボタン操作による攻撃の形に変化しているものもあり、人の命の重さを感じにくくなっている。